ラヴシークレットルーム Ⅲ お医者さんとの秘密な溺愛生活
私の上に跨っていた彼がそう言いながら自分の左隣に身体を下ろした。
そしてその左腕で私のカラダを優しく包み込みそっと目を閉じた。
『・・・・・・・・』
なんで謝るの?
謝らなきゃいけないのは
私だよ
自分から彼を求めて
いざ彼が私を求めてきたら
自分をコントロールできない
自分の中に浮かび上がってしまった不安をどうしたらいいのかわからない
・・・・私なんだよ
「伶菜にこんな想いをさせたのは・・多分俺のせいだ。」
『・・・・・・・ナオフミ、、さん?』
じっと見つめていた私の視線を感じたのか彼はゆっくりと目を開き
そして
小さく下唇を噛んだ。
「・・・全部、お前に、、、、伶菜に背負わせてたんだな・・・」
何を?・・・って聞きたかった
私が背負わされてたモノって何?って
ナオフミさんは
何を気がついたの?
何を感じているの・・・?
「伶菜、俺は・・・」
でもそれは
ピリリリ、ピリリリ、ピリリリ、ピリリリ、ピリリリ、ピリリリ♪
「ゴメン・・・・」
『・・・・・ううん。大丈夫。』
「・・・ハイ、日詠です。」
ベッドのヘッドボード上に置いてあった彼の携帯電話の着信音によって遮られてしまった。
それだけではなく
ナオフミさんから直に伝わってきていた
彼の鼓動とやや熱くなっていた体温までも
私から遠ざかってしまって。
「・・・・ああ、、、、、大丈夫だ・・・・・本当だ。・・・・・そうだ。わかった。すぐ行く。」
ベッドサイドに腰掛けて
携帯電話を耳に当て静かにそう答えた彼。
そんな彼をも照らすひとすじの月明かり。
この時も彼はその月明かりを気にかけることもなかったけれど
なぜか電話応対において焦っているようにも見えなかった。