ラヴシークレットルーム Ⅲ お医者さんとの秘密な溺愛生活
そんなんじゃないですよ~と美咲は言ったけど
間違いなく呼び出しだろう
凄く物申したいって顔してるしな
「日詠先生。本当によかったんですか?」
パチッとカンファレンスルームの電気をつけながら美咲は険しい顔つきで俺に問いかけた。
その眩しさに俺は一瞬目をしかめた。
『・・・・・・・・・・・』
やっぱりだな
「福本さんから伝言を聞いてその通りにしましたけれど・・・でも・・」
何を言われても仕方がない
「夜10時半頃に緊急コールをかけろなんて、なんで私にそんな嘘つかせるようなことを・・・」
美咲にそうさせたのは
「逃げたんですか?伶菜さんから。」
俺なんだから・・・・
「日詠先生、何やってるんですか?」
『・・・・・・・・・』
「今、すごく大事な時なんじゃないですか?どうしちゃったんですか?おかしいですよ、ここ最近の日詠先生は!!!!!」
研修医上がりの頃はなにかと落ち着きがなかったのに、ここ最近はずっと冷静だった美咲。
そんな彼女が俺に畳み掛けるように訴えかけた。
当たり前だよな
早く帰れと促された時、伶菜を抱きしめてやることぐらいしか思いつかなかった俺は
自分自身を制御できなくなることを予想して
美咲に緊急コールで自分を呼び出すなんてことをさせたんだから
しかも
自分に向かってきた伶菜によって
想像以上に自分を制御できなかったから
正直、美咲に助けられたと言ってもいいだろう
それぐらいこの時の俺は
伶菜のいつにない体温の高さと
解放されてしまった自分の欲望に
・・・溺れてしまっていたから
その勢いに任せてとうとう伶菜を追い込んだ
震えをはっきりと自覚させるぐらい
・・・・・そんな風に追い込むはずではなかったのに
それでも伶菜が俺を求めたら
あのままどうなっていたかわからない
彼女をめちゃくちゃに壊してしまっていたかもしれない