ラヴシークレットルーム Ⅲ お医者さんとの秘密な溺愛生活
医大生時代からよく知っている
知識、スキルともに兼ね備えている先輩である奥野さん
そんな彼女は俺が尊敬する先輩医師のひとり
医大生時代は奥野さんに
“あんまり付き合ってる女を泣かせるんじゃないわよ” と何度も釘を刺されていた
でも、それだけではなく、奥野さんは俺が付き合っていた女が発する愚痴を聴いてくれたり、俺のフォローをしてくれていたようだった
そして
妊娠中の伶菜を産科医師としてちゃんと守ってくれていたのも彼女だった
いつでも物事を広い視野でちゃんと見えていて
そして
人の気持ちを自然に察することができる
・・・・奥野さんはそういう人
医師という立場の俺を一番理解している他人は
多分、この人なんだと思う
そんな奥野さんなのに
彼女らしくないその突然の行動を
俺は拒否することができなかった。
俺という人間を理解しているはずの彼女の真意が知りたい
それに囚われてしまっていたから。
そしてしばらくして
奥野さんからそっと唇が離された。
その直後に俺に投げかけられた彼女からの視線はいつになく鋭いものだった。
それに触発されたのか
靄がかかったような状態だった俺の頭の中がようやく動き始めた。
奥野さんは
自分の患者でもあった伶菜を
哀しませるようなことはしない
むしろ俺を挑発してる
伶菜に対して後ろめたい気持ちを抱くような隙を作るな・・と
そして
いつまでも伶菜を助けてやれない俺に
本気を出させるために・・・
俺が伶菜を
哀しませるようなことをするな、、、と
『勘弁して下さい。その手には、俺、乗りませんから。』
彼女の挑発にいとも簡単にのってしまった俺は言葉だけでも強がった。
自分のするべきことに本気になった。
それを示すために。