ラヴシークレットルーム Ⅲ お医者さんとの秘密な溺愛生活



ナオフミさんの先輩医師である奥野先生
今はこの病院の系列病院に勤務しているけれど、以前はこの病院にも従事していた


妊婦だった私をナオフミさんと共にずっと支えてくれて
そして臨床心理士になった自分を必要としてくれた私にとっても大切な存在

ナオフミさんと出会って間もなく、私が彼の妹として同居していた頃
彼が大切に想っている人は奥野先生だと感じていた



だから奥野先生と彼が付き合っているのなら自分は・・・彼から離れようと思った
奥野先生の、彼がスキという想いもはっきり感じていたから・・・


素直に凄くお似合いだと思ったのに
それなのに奥野先生は彼と私の幸せを願ってくれた

そんな奥野先生の気持ちを思うと
切なくなる私もいて

だから昨日の夜、ナオフミさんと奥野先生がキスをしていたという真実を知っても
自分が彼を拒否してしまったから、だからこんな時がやっぱり来たんだ・・・と納得してしまう自分がいた




「伶菜さん、あの、ほら、奥野先生ってオトコ勝りなとこあるっていうか、、、きっとアメリカナイズされているっていうか、、、キスとかも挨拶がわりというか・・・」

『・・・ええ。』


慌てて補足説明をしてくれようとした谷本さん。
彼女の心遣いを無駄にしたくないと思うけれど、この時の私は相槌を打つのが精一杯だった。



「ごめんなさい、伶菜さん。こんなことを聞かせる形になってしまって・・」

『いえ、谷本さん、お気になさらないで下さい・・・大丈夫ですから♪』

「そんな・・・無理して笑わないで・・・・」


そう言いながら谷本さんは私を抱き寄せてくれた。
彼女からほんのり漂うやわらかい香水のラストノートと思われる香りに包まれた私は涙を堪えることができなかった。

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