ラヴシークレットルーム Ⅲ お医者さんとの秘密な溺愛生活
そんな俺だったから
正直、森村が何を言いたいのか正確にはわからなかった。
本当に自分でも救いようがないぐらい
どうしようもない俺がいて。
「それがわからないようなら、アンタとレイナ、このままダメになるな。」
『・・・・・・・』
でもダメになるという言葉を聞かされたショックによるものなのか
なぜか俺にも気がついたことがあった。
「このままぼやぼやしてたら、あっという間にかっさらっちまうぜ。アンタが溺愛してやまない、オレのレイナを、さ。」
それは
奥野さんと同様に森村も
俺を挑発しているということ。
「オレ、今度こそもらっちゃうよ。アイツの、レイナの底力の凄さまでも・・・まるごとな。」
挑発だけには留まらず
彼が
伶菜が秘めている可能性を信じていることまでもを思い知らされた
俺が最後までできなかった“伶菜の主治医”という役割
それを最後まで完璧にやり切ったこともあってか
悔しいぐらいに彼女のことを理解している森村
そんな彼に
彼女を奪われても仕方がない
でも
ここで身を引くことなんて
やっぱりそんなわけにはいかない
確かに俺が悪いのはよくわかっている
自分勝手だということも充分理解しているつもりだ
けれど
俺が本気で必要だと初めて思った伶菜を
そんな簡単に
あっという間にとか、まるごととか
かっさらわれて、たまるか
「それがイヤなら、やるしかないだろ?日詠サンだからできるやり方でレイナの心を取り戻すしか。」
やっぱり
森村にやられた