ラヴシークレットルーム Ⅲ お医者さんとの秘密な溺愛生活
「それもさ~。今、考えてみると、伶菜さんという存在があったたからできていたんだと思う。・・・・最近の日詠先生を見てると余計にそう思うよ。」
『?』
そう言ってくれた彼女が私という人間をかいかぶり過ぎてるような気もして
つい首を傾げてしまった。
「だって、日詠先生、嬉しさがダダ漏れだもん。伶菜さんがここに来るだけで。」
『ダダ、、漏れ・・ですか・・?』
「そうそう、ダダ漏れ!!!! 伶菜さんがナースステーションで看護師と情報交換してる時とかに・・・・丁度そこに居合わせた日詠先生ってば、、伶菜さん達の話し声を聞いてないフリして電子カルテを確認しているはずなのに・・・ありえないぐらいめっちゃ優しい顔してるし~。」
私の知らないナオフミさんの一部を一生懸命教えてくれた谷本さん。
「しかも、耳まで真っ赤だったりしたんだよ~、日詠センセってば。なに妄想してんのかね~!!!!!!」
そんな彼女も優しい顔をしていて。
「だから、今回のことも大丈夫!日詠先生はきっとこのまま引き下がらないよ!」
左手に持っていたプチどらやきの残り全部を口の中に勢いよく放りこんだ谷本さん。
それを噛み砕き飲み込んだ後、彼女はニッコリと笑ってくれた。
「だから伶菜さんも焦らず頑張ろう♪福本さんが言ってたことが本当ならば、伶菜さんが今、日詠先生を見捨てたら、先生、ショックで仕事しなくなりそうだから・・・」
私を励まそうとそんなことを言ってくれたんだと思う。
だけど、素直に取ることも時には必要だと思った。
一度は私のことを敵対視していた谷本さんがこんなにも私達のことを心配してくれたから。
その心遣いが嬉しかったから。
『ハイ♪』
だから谷本さんの言葉をちゃんと心に留めることも大切だと思ったんだ。
「よし、そろそろ臨床心理室へ戻ろう!コレ、おすそ分けしてあげるから♪」
そしてプチどらやきの入った箱を無理矢理持たされた。
「頑張れ~伶菜さ~ん、、、あっ、違った、、日詠伶菜センセ♪」
ピースサインを掲げながらそう言ってくれた谷本さんに
『あの、ありがとうございます。頑張ります♪』
箱を持っていた右手でなんとかピースサインを作ってみせた。
ナオフミさんのことは凄くショックだった
本人も事実だったって認めているから尚更
だけど
今回の出来事でただ落ち込んでいるだけでいるのはやめた
私自身をこうやって支えてくれる人に失礼だから
だから自分の出来ることをコツコツやる
改めてそう思ったことを彼女に感じてもらうために私はピースサインを作ってみせた。
そんな私に谷本さんも
ピースサインのお返しをしながら笑ってくれた。