ラヴシークレットルーム Ⅲ お医者さんとの秘密な溺愛生活
『すみません。私、結婚したことをお伝えしていなくて・・・』
「仕方ないよ。あの日詠先生と結婚したんだもん。でも早速大変だよね~。あっ、しまった。」
先輩も昨日のナオフミさんと奥野先生との出来事、聞いちゃったんだ・・・
「あっ、そうそう、、早川さんに至急相談したいことがあるって、日詠先生、ついさっきあそこに飛び込んできたよ!」
話をすりかえようとした先輩なのに
よっぽど慌てたのかまたナオフミさんのことを口にした。
私が谷本さんに仮眠室に連れていかれた後、どうしているのかわからなかったナオフミさん
まさか彼がここに来ているとは想像していなかった
ついさっきの出来事からまだそんなに時間が経っていないのに・・・
もしかして私を追いかけてきてくれた?
なぜ昨日、奥野先生とあんなことになったのかの理由を教えてくれる気になって
その前にとりあえず早川室長に相談しようと思った?
でも、多分、それは私の浅はかで勝手な想い込み
おそらく、ナオフミさんは既に仕事モードで、
自分の症例の相談をするために早川室長の元へ来ただけだと思う
正直哀しいけれど
でも見習わなきゃ
仕事モードへの切り替えをちゃんとできるようになれるように・・・
「あれ、どこ行くの?伶菜さん?」
『明日の、カンファレンスの症例の情報収集に・・・行ってきます。』
私はすぐそこにいるナオフミさんの存在が気になって仕方がなかった。
だから、気を紛らすため、そして情報収集するために依頼のあった心療内科病棟へ向かった。
この場を離れなければ
そうでもしなくては
この時の私は
仕事モードになっているであろうナオフミさんに
置いていかれてしまうような
そんな感覚に陥ってしまう気がしたから・・・