ラヴシークレットルーム Ⅲ お医者さんとの秘密な溺愛生活
Reina's eye ケース15:難しいけれどアマイ宿題
【Reina's eye ケース15:難しいけれどアマイ宿題 】
ナオフミさんが退室した後のカウンセリングルームから出てきた早川室長から一枚の紙を渡された時に言われたこと。
それは
“今後、周産期のカウンセリングにもどんどん入ってもらうから、遺伝についての勉強もしっかりしておきなさい”
ということだった。
とりあえず頷き、渡された紙に視線を落とすと私は一瞬で胸をギュっと掴まれた。
凄くよく知ってるその文字達に。
ダイスキなその筆跡に。
ナオフミさんと話をロクにできていないのに
周産期のカウンセリングか
正直、自信ない
上手くやっていけるのか
そう思いながらも上司からの業務命令には逆らうことなんてできずに、とりあえず資料室へ向かった。
資料室のドアの小窓からは光が漏れていることはなく、いつものように誰もいない。
膨大な資料数を誇るこの資料室のどこに自分が探している資料があるかわからない私はとりあえず検索用パソコンを開いた。
経費削減の影響なのか、滅多に使われないていないであろうこのパソコンはOSもやや古め。
起動するのにも少々時間がかかってしまって。
その待ち時間に天井を見上げてボーッとしていたその時
まさかの、資料室のドアが開く音がした。
しばらくして視界に入ってきたその姿に
動揺せずにはいられない。
その人は何を話していいのかわからない相手になってしまった
ナオフミさんだったから。