ラヴシークレットルーム Ⅲ お医者さんとの秘密な溺愛生活



『だからもう、そんなこと、なしにして下さい・・・・・』

「ああ。」


だから
怒ってあげよう
もうこれ以上ナオフミさんが
自分を責めないように
自分を傷つけないように



「伶菜、ゴメン。」

『ううん。もう大丈夫。さっきも怒っちゃったし。』

「そうじゃなくてな・・」

『・・・・・・?』


そうじゃなくってって?


「昨夜、あんなことがあったのに、やめられなくてゴメン。」

『・・・えっ?』



やめられなくてゴメンって
まさかまた
奥野先生とキス、しちゃうの?




「いや、、だから・・・・」


『・・・・・・・・するの・・・・?』


「はっ?」




驚いた顔を覗かせた彼。

そんなことなしにしてって言った時に
“ああ”って言ってくれたのに・・・


『またキス、するの?』


信じてあげたかったのに
つい口にしちゃった

ほら、やっぱり
ナオフミさん困ってる
でもなんでだろう
困ってるように見えるのに


「ったく、最後まで、ちゃんと聞けな。」


顔が真っ赤だよ
ナオフミさん


「また、キスする。」

するんだ、キス・・・・・


「・・・キスだけ、じゃなくて・・・もっと・・・」

キスだけじゃなくてっ、もっとって
もっとエッチなこともするってことだよね?


もしかして昨晩、奥野先生と
キスだけじゃなくて
もっとエッチなこともしてた、の?


昨晩、無意識だったとはいえ
私がナオフミさんを受け入れられなかったせい?
だからなのかな?

泣いちゃダメ
でも
でも
でも・・・



「もしかして、俺、伶菜に誤解させてるのか・・?」

『えっ、誤解って・・奥野先生、か・・と・・あっ!!!!』


しまった
奥野先生の名前、出しちゃったよ



「ダメだな・・俺、こんなんじゃまた、森村にダメ出しされるな。」

眉を下げて笑ったナオフミさん。
普段見かけないその珍しい表情に胸がドキっとした。


「だから、言い訳する。」

『・・・・・・』

「よく聞け。1回しか言わないからな。」


真っ直ぐに私を見つめたナオフミさん。
また胸がドキっとした。


「昨日の夜、奥野さんとキスした。ゴメン。あってはならないことだ。反省してる。でも・・・」

でも
スキだから仕方がないっていうことなの?



「キスしてわかったことがあるんだ。」



キスしてわかったこと
それはやっぱり奥野先生がスキだってこと?




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