ラヴシークレットルーム Ⅲ お医者さんとの秘密な溺愛生活
過去の中坊の男を見返してやるためにこっそり中学生になった心のせまい俺。
わざわざ伶菜が教えてくれたストローについた口紅の跡なんか気にすることなく。
迷うことなく宇治抹茶ラテのストローに口を寄せた。
少しほろ苦く、そして甘い宇治抹茶ラテの味が自分の口の中をじわじわと占領
まるで今の俺と伶菜の関係のような味
ほろ苦さまでも心地良くなる
・・・・そんな味
『知らなかったよ。コレも。』
「?」
『間接キスの味っていうものが、こんなにも奥が深いってこと。』
「えっ、やだ、、ナオフミさん・・・間接キスとかでドキドキするの?・・だ、、大丈夫?」
そんな言動を繰り返した俺をやっぱり変に誤解したのか
目の前で目をまん丸にしながら真剣に俺のことを心配し始めた伶菜に言ってやりたくなった。
『ずっとドキっとしてる。』
「・・・ずっと・・?」
『ああ・・・・今までも、今も、そしてこれからも・・』
伶菜に見つけ出した時も
伶菜とこうやって一緒に過ごす今も
そして
俺にとって
伶菜が公私ともにかけがえのない存在になるこれからにも
俺はずっとドキリとするんだろう・・・
『伶菜が繋いでくれたバトン、、ちゃんと受け取ったから。』
「・・・うん。」
『白川さん、俺も最善を尽くす。オペ(手術)で。』
そう言った俺に伶菜は
彼女が手に持ったままだったメロンパンを俺の口元に差し出した。
「このバトンも・・あげる。」
どうやら俺の気持ちを理解してくれたのか
とびきりの穏やかな笑顔でそう言ってくれた伶菜。