ラヴシークレットルーム Ⅲ お医者さんとの秘密な溺愛生活
Reina's eye ケース3:先輩とナカマ
【Reina's eye ケース3:先輩とナカマ】
ナオフミさんがいた産科病棟から逃げるようにしてカウンセリングルームに戻った私。
看護師さん達から私生活を探られるような質問をされていたナオフミさんのコトが頭からなかなか離れない。
“まずは二股でもいいから”なんて言う看護師さんもいて。
それらに対して彼は特に返答をすることなく、クールに対応しているように見えて。
彼女達とナオフミさんのそんなやりとりによって
いつか自分よりも素敵な女性にあっさりと彼をとられてしまうんじゃないかって不安になってしまった。
周囲から熱い視線を送られていることをいまひとつ理解してない彼の様子までも改めて垣間見てしまって・・・・余計に不安を煽られてしまった。
そんなモヤモヤした気持ちのまま、ナオフミさんからの指示処方箋をカルテから再び取り出そうとしたその瞬間、再びPHSが鳴る。
『ハイ、臨床心理室、高梨です。』
「高梨さん、産科の日詠です。今、電話で用件を伝えても大丈夫ですか?」
昼休み直後に彼からかかってきた電話はまるで人違いだったかのような抑揚のない口振り。
プライベートではあまり聞いたことがない
私と一緒にいる時の彼の声は
もっと温かくて穏やかで、時には照れくさそうな・・・そんな気がする
だから、その抑揚のない口振りの声を耳にすると
彼と自分の接点が医師と臨床心理士というコトだけしかないように思えて
『ええ、大丈夫です。お願いします。』
ちょっぴり寂しく思いながらも
私も彼につられて抑揚のないような応対をしてしまった。
「指示処方箋の患者さんのコトだけど・・・」
電話口の彼はあまりにもサラリと指示処方箋の患者さんについての情報のみを伝えてくれただけで、あっさりと電話を切られた。