ラヴシークレットルーム Ⅲ お医者さんとの秘密な溺愛生活
Hiei's eye カルテ18:initiative
【Hiei's eye カルテ18:initiative】
産科病棟面談室で白川さんのご主人に手術の説明を終え、俺は伶菜とふたりきりになった。
白川さんの治療を無事にやり終えた今、彼女が何を想っているのが気になる俺。
それを探るために何気ない言葉を交わすことから始めたはずだった。
それなのに伶菜はのんびりと過ごすそんな時間を俺に与えてはくれなかった。
『どこ、行くんだ?』
「ヒミツです。まだ。」
そして今、俺はなぜか伶菜に腕を強く掴まれて院内を歩いている
あんなにも
俺との関係を公にするのを拒んだ彼女が
こんな行動に出るとは・・・
でもこういう想定外の行動をする伶菜には
注意が必要だ
こういう時の伶菜は
俺の理性なんか簡単に蹴破るぐらいの破壊力があることを
俺は経験上、知っている
想い出すと今でも胸が締め付けられる
バスルームでのあの夜があったから・・・・
バスルームで
俺を必死に求めながらも
無意識に体を震わせたあの夜
伶菜は自分を責めたはずだ
彼女にあの夜と同じ想いをさせてはならない
それなのに
自分に真正面から向かってきて欲しい
自分をとことん求めて欲しい
『・・・・・・・・・・・』
今、伶菜から抱きしめて欲しいとか言われていないのに
ただ、彼女に想定外の行動をされただけで
勝手にこんなことを考えている俺は
ホントどうかしてるよな
伶菜
お前、今
何、考えてる?
そう聞きたいけど
そんなことを聞く隙もない今の伶菜は
あの夜と同じに見えて仕方がないんだ