ラヴシークレットルーム Ⅲ お医者さんとの秘密な溺愛生活
「あっ、一緒にいるんだ~。やだ、ナオフミくん、寝ちゃってるの?でも。コレ、院内PHSだよね?・・・院内でヤッてる最中だったの?え~、ナオフミくんもやるわね~♪」
眠っているナオフミさんと一緒にいることに驚きながらも、なんだか楽しげな福本さん。
ただ眠ってるだけなのに変に誤解されたままだと
何も知らないナオフミさんが気の毒で
一応否定をしておいた。
ヤッてはいない・・・と。
「えっ、ヤッてる最中かと思った。って、ヤらずに、眠っているなんて、アイツどんだけヘタレなんだか」
ヘタレ・・・
そういえば自分でも “ヘタレになっちゃうだろ?” と口にしていたナオフミさん
もしかして
福本さんにそう言われて気にしていたのかな?
福本さんなら言いそう
以前、ナオフミくんをイジるのが楽しくて仕方がないって言ってたし
でも、ナオフミさんはヘタレじゃない
きっと待っていてくれているだけ
私が抱きしめて欲しいと
ちゃんと言えるのを
ちゃんと言わなきゃ
ナオフミさんに
抱きしめて欲しい・・・と
『でも、今からはどうなるかわかりません。』
今まで何度も
彼を必要としている人達のことを最優先に考えてきた
だから
彼を呼ぶ声があればそっちへ向かうように彼の背中を押したけど
でも、今は
ダメだとわかっていても
・・・・自分の気持ちを最優先したい
今じゃなきゃ
ダメだと想うから・・・
彼はきっと私を待っている・・・から・・・
『だから、今からしばらくは・・・緊急コールがかかっても、繋いであげられません。』
ナオフミさんにも
一緒に叱られてもらおう
きっと
ナオフミさんなら
苦笑いしながら一緒に謝ってくれるだろうから・・・
「上等!覚悟しときなさいよ~。始末書、用意しておくから。」
一応、管理職らしいそんな言葉を口にしながらも
面白くてたまらない様子の福本さんに私は“ハイ”と小さく返事をして通話オフボタンを押した。