ラヴシークレットルーム Ⅲ お医者さんとの秘密な溺愛生活
震えていない自分の体に安堵しながらも
直に伝わってくる彼の熱があまりにも心地良すぎて自分の心臓がめまぐるしく動いた。
いつもは涼しげで切れ長な彼の目もうっすらと熱を帯びていて
それによってもドキドキさせられた。
『ぁぁん・・・』
蔵書が沢山ある部屋独特のインクの匂いに
社会人としての後ろめたさを少しだけ感じ
声を漏らさないように喉の奥にグッと力を込めた。
「抜けよ、力。」
彼はそう言いながら喉元にキスを落とした。
しかも、チクリとする甘い痛みまでも。
「でも、力、入ってるのは俺かもな。」
彼は自嘲気味にそう囁きながら
ハイネックシャツでも着てないと見られてしまう位置に落とされたキスの跡をそっと撫でた。
「いい年して独占欲とか・・・・」
他人の目とかを考えると
確かにちょっと恥ずかしいけど
ダイスキな相手に独り占めしたいって想われるの・・・やっぱり嬉しい
『独り占めされるの・・・気持ちいい・・・かも』
「かも?」
眉をしかめ、オウム返しした彼。
『えっと、かもじゃなくて、です?かな・・・』
目を細め、かすかに意地悪な笑みを浮かべた彼。
「じゃ、遠慮することなさそうだな。」
そう言い放った直後、彼は
私の中で再び動き始めた。
首元に、鎖骨あたりにもチクリとする感覚までも落としながら。
言葉通り
本当に遠慮することなく
彼は私を感じ取ろうとしているようだった。
「伶菜・・・」
『・・ん?』
「お前、あったかすぎ。」
『あったかい・・・?』
「ああ・・初めてだしな」
『初めてって?』
目が合ったナオフミさんは
ちょっぴり困ったように口を結び
「・・・こんな感覚も、初めてだってこと。」
耳元で囁いた彼は
ちょっぴり恥ずかしそうで。
「溶かされそうだ、お前に。」
もう一度耳元でそう囁いた彼。
ぴったりと重なり合うカラダにもっと熱を帯びさせるような彼の動きによって
『あたしのほうが、溶ける・・・・』
「一緒に溶けるのも悪くない。そうしたらもう離れずにすむ・・・お前と。っていうか・・・・何があっても離す気はないけどな。」
『あたしも離さない。ダイスキだから・・・』
「・・・お前のダイスキに・・ノックアウト。」
『・・・・ダイスキ』
ノックアウトされた彼にさらにダメ押しダイスキをした私
お互いに溶け合うような感覚を覚え、漏れ出る吐息を我慢することもできないぐらい
・・・・私は彼の全てを感じ取った。