ラヴシークレットルーム Ⅲ お医者さんとの秘密な溺愛生活
「関係者以外立ち入り禁止~♪」
『・・・・・・・・・・・』
「ついにダイスキ攻撃に陥落したって?」
『・・・・・・・・・・・』
やっぱり資料室に俺達がいたのに気づかれてたか?
ダイスキ攻撃というものが一体何なのか気になるところだが、
とりあえずスルーだな
下手に応えると誘導尋問とかに合うに決まってる
「学生時代はエッチする場所とかも、ちゃんとまともなところを選んでヤッてて、何やらせても完璧だっていう噂しか聞いたことなかったんですけどね~日詠センパイ♪」
『・・・・・』
森村が俺の腕を肘でつつきながら小声でそう声をかけてくる。
彼のその言動でやや浮つき気味だった俺の気分に少しずつ影が差し込んできた感じがした。
「センパイの大学時代の女達の話、レイナが耳にしたら・・・」
突然口に出された名前。
大学時代の過去の女の話を口外されるより
伶菜の名前を呼び捨てされたことにイラつきを覚えた。
こいつが彼女のことを呼び捨てするのは今に始まったことではなかったのに、俺の中で益々独占欲というものが強くなっていて。
こんな些細なことまで聞き流せなくなっている自分を隠すことなんてできなかった。
『気安く呼ぶな。』
「は~?今更?っていうかそっち?過去の女の話題じゃなくて?」
彼は腹を抱えて笑いを押し殺していたが、
俺は過去の女の話題なんかにいちいち気にしていられないぐらい余裕がなかった。
「今更、まさかの・・呼び捨てへの嫉妬?・・・過去の女達が聞いたら卒倒するぜ。」
『どうだか。』
「でも、俺としてはガッカリと安心感が半々だな。」
森村が伶菜に対し好意を持ち続けていることは
痛いほどわかっている
彼女の夫になった俺の前でも遠慮なくそのことを明言するぐらいだし
だから昨日の資料室での出来事をガッカリと言われてもわからなくはない
でも安心感も半分・・・・?
『・・・どういうこと?』
それをどうしても理解できなかったせいで
こいつのことをスルーし切れないぐらい
この時の俺は脇が甘かった。