ラヴシークレットルーム Ⅲ お医者さんとの秘密な溺愛生活


そんな余裕がない中でもなぜか小学生の頃の自分を想い出した。

近所にある草の多く繁った空き地で
幼馴染みの男の子と作った秘密基地に隠れて遊んでいた時、
自分を探しにきた母親と今の森村先生がダブっているように思えて
ドラマの回想シーンを視たような気分になり、また温かい気もちになれた。

それなのにナオフミさんはなぜか申し訳なさそうに私を見つめ、ごめんと言いかけた。


人に気を遣いがちなナオフミさんのことだもん
ここに引きずりこんだのは私なのに
森村先生が現れ、ヒヤヒヤさせたのは自分のせいだってきっと思ってる


でもね
こんな状況だからもっと温かい気持ちになれたんだよ
それを彼にちゃんと伝えなきゃそう思って言った言葉

『森村センセが現れちゃう・・とか。ドキドキが倍増したかも』

そう言った直後、彼は思いっきり眉をしかめてキスをしてきた。


それだけではなくて
カンファレンスに行くべきと言いながら、首筋にもキスを落としたり、
言ってることとやってることに一貫性がない彼。


どうやら私の表現の仕方がよくなかったせいか
いつもの彼からはあまり想像できないぐらい意地悪な雰囲気が漂っていて、
そんな珍しい彼ももっと感じてみたい
そんなことまで思ってしまった。


だからカンファレンスに送り出そうとしてくれている彼に
また抱きしめてとおねだりをした。

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