ラヴシークレットルーム Ⅲ お医者さんとの秘密な溺愛生活
「ウチの外来、かかってみたら?」
『それこそ混んでて時間がかかるので開業医さんにかかってみます。』
「そうね~ウチの病院の外来はどの科でもあり得ないぐらい混むから・・・それもいいかもね。」
『ハイ・・ごちそうさまでした。』
不安要素を含んでいる疑いをかけられたメロンには手を付けずランチタイムを終えた私達。
「よかったらまた、ランチしようね♪ 今度は院外で。祐希も連れてきてね♪」
『ハイ♪ 祐希も福本さんに会いたがってたので是非!』
彼女に“伶菜ちゃん、またね♪ 午後の仕事も頑張ろうね♪” と肩を叩かれ、気分よくカウンセリングルームへ戻る途中だった。
『いっ、いたっ・・痛い・・・・』
カウンセリングルームに繋がる廊下の真ん中で
立っていられないぐらいの激しい腹痛に見舞われた。
すぐ傍を通りかかった人に大丈夫ですか?と声をかけられたけれど、あまりの痛さに返事すらまともにできなくて私はその場にうずくまった。
それを見かけたらしい何人かの患者さんらしき人達が私の周りを取り囲んで
「動けますか?」
「先生、呼びますか?」
「でも、この人、白衣着ているから医者なんじゃない?」
と騒ぎ始めた。
この患者さん達に心配かけてはいけない、
こんなところで騒ぎになりたくないと思った私は
『大丈夫です。私、よくお腹痛くなるので・・・これぐらいなら大丈夫です。ご心配かけてすみませんでした。』
と平静を装い、彼らに深く頭を下げた。
50才ぐらいの男性が
“でも早く専門の医者に見てもらいなよ~” と声をかけてくれたのが一段落の合図になったのか、自分を取り囲んでいた人達は私へ体調に気遣う言葉をかけながら退散して下さった。
痛みはしばらくして落ち着き、カウンセリングルームに何とか戻れた。
けれども、こんな激痛は初めてだったので、また痛みがぶり返して心配をかけてはならないと考え、早川室長に早退を申し出て、近所の開業医へ行くことにした。