ラヴシークレットルーム Ⅲ お医者さんとの秘密な溺愛生活



野菜室をガタガタと開ける音をたてた彼女は
生まれたばかりの赤ん坊の顔ぐらいのサイズのマスクメロンを両手で大切そうに運んできた。


「網の目が整っていないメロンって味は抜群でもB級品にされちゃうんだって。しかも豊作らしくて・・・高島さんが職員室で先生達におすそ分けしまくっていたんだって。入江さんにおいては大量に押し付けられたらしいよ~」

なんかほのぼのとしていていいよね~と付け加え笑った伶菜。

俺から遅れをとっていたものの
彼女も入江さんと高島さんのやりとりでも頭の中で想像していたのか
メロンに対して
・・・・危機感ゼロ 
・・・・嫌悪感もゼロ

何の罪もないはずのメロンに対しては敵対視継続中の俺まで
骨抜きにされそうな空気まで醸し出してるぐらいだ


確かに瑞々しい黄緑色の果肉は口にする前から美味しそうで
いつも果物の鮮度とかも気にしている彼女がこういう反応を示しても仕方がないよな
さすがに入江さんも伶菜にメロンアレルギーあるかもしれないなんて知らないから
こうやってメロンが届いても仕方ないし

俺も福本さんに言われるまで知らなかったしな
でも、アレルギー検査はちゃんと受けたのか?



「ジューシーで美味しそう♪」


はっ?


そう言いながらメロンが載せられた皿をもう一皿冷蔵庫から持ってきた伶菜。
彼女はそれを今度は彼女の目の前に置いて椅子に腰掛けた。
そして迷うことなくフォークを手にしてメロンにそれを突き刺した。


「さ~食べよっか♪」


彼女の口元に運ばれそうなそれの行方を待たずに俺は

『メロン、大丈夫なのか?とりあえずコレは・・・』


メロンの刺さったフォークを持つ彼女の手を自分のほうに引き寄せてパクリと食べた。


「ナオフミさん?!」
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