ラヴシークレットルーム Ⅲ お医者さんとの秘密な溺愛生活
『・・・・・・・』
「南桜に受診しないで、ここに来たっていうことは、妊娠したこと日詠クンにまだ内緒にしているんでしょ?」
『・・・ハイ。』
「主治医は責任を持って私がやるから。ここで偶然出会って、その流れで主治医を任せることになったって言えばいい。だから、ちゃんと言おう。ふたりの赤ちゃんなんだから。」
私が彼に主治医という役割をお願いすることに躊躇いがあるという”後ろめたさ”まで
やっぱり見透かされていた。
『・・・ハイ!!!!』
彼と奥野先生がキスしてたと聞いた時、この人のことをキライになれなかったのは
いつでも私の味方でいてくれるお姉さんのような存在でいてくれたからだと思う。
『心強いです。お願いします。』
「ありがとう。私を主治医に選んでくれて。一緒に頑張ろうね。」
心のどこかでずっと脅威に想っていた奥野先生とギュッと握手をした。
その手から伝わってきた温かさで涙が頬の上をポロポロこぼれた。
その涙を指で優しく拭ってくれた奥野先生の目にも
今にも溢れ出しそうな涙が光っていた。
ナオフミさんに主治医をお願いすることはできなかったけれど
父親と母親という立場でナオフミさんと一緒にお腹の中の子を育てていきたい
白川さんという宿題を一緒に乗り越えたふたりだもん
きっとできる
奥野先生のおかげで私の2回目の妊娠生活はこうやって始まった。