ラヴシークレットルーム Ⅲ お医者さんとの秘密な溺愛生活
俺は自分には彼女がどう見えたかをはっきり伝え、実際、彼女がなにを思っているかを聞いた。
“自分はアナタのことをこう感じたけれど、アナタはどう思っている?” という問いかけ
ただ、どう思う?と訊ねるよりも一緒に想いを共有したいという気持ちが伝わるらしい
早川さんの教えを自分なりにやってみたけれど
そんな簡単なものじゃないんだよな、きっと
そう肩を落としかけた時だった。
「嬉しい。だけど・・・どうしたらいいんだろう。」
彼女はポツリと呟いた。
以前の俺なら・・・それ以上踏み込まなかった。
言葉をそのまま受け止めておくだけ
でも、今は
彼女の想いをもっと深く知っておきたい自分がいる
『そうか。その迷いを、具体的に言えるか?』
「・・・・・」
いつもとは違う俺を見定めているかのように
黙って俺を見つめた伶菜。
無理して言う必要はないからと言おうとした矢先、
「・・・その、あの、、、、あっ、そうそう。祐希にね、なんて説明したらいいのかな~って。」
彼女は作り笑い気味にそう口にした。
またもや感じた違和感。
俺の思い込みかもしれないけれど、とってつけたような内容に聞こえた。
でも、この日の俺は彼女の気持ちに対していつもよりも踏み込んでいたから、
もうこれ以上“戸惑っていることってそれじゃないだろ?”と彼女を追い詰めても何も解決しないと思った。
今、自分ができることは
彼女が口にしたことに丁寧に応じていくことぐらいだろう
・・・・そう思うことにした。
『説明か・・・・。最初から全部理解してもらおうと思わずに、少しずつ伝えていけばいいと俺は思うぞ。』
頭を切り替えた俺は自分が彼女に伝えた言葉から、ふと昔の自分を想い出した。