ラヴシークレットルーム Ⅲ お医者さんとの秘密な溺愛生活
『前田先生?どうかされました?』
私の声に驚いたのか、カラダをビクッとさせた彼。
「いっ、いえ、大丈夫です。あっ・・・コレ」
そして彼は慌てて白衣の左ポケットに手を突っ込み、何かを取り出した。
それは、某製薬会社のマスコットであるネコがくっつけてあるボールペンだった。
『カワイイ~!!!!コレ、非売品なんですよね?』
「・・・・・・・・・」
『前田先生?』
「・・・・あっ、そうそう、なんだっけ?」
あれ?
なんだか、今、うわの空だったような・・・
『コレ、非売品?』
「非売??・・・あっ、そうそう、非売品みたい。よかったら使って下さい。」
『じゃ、遠慮なく頂きます♪』
「ハハハ、どうぞ。」
いつもの穏やかな笑顔でそう返事をしてくれた前田先生。
さっきのうわの空な感じ
私の気のせいだったかな?
「じゃ、ボク、そろそろ行かないと・・・それじゃ、また宜しくお願いします。」
『了解です♪』
そして前田先生は軽く会釈をし、急いでカウンセリングルームを後にした。