ラヴシークレットルーム Ⅲ お医者さんとの秘密な溺愛生活
でもそうすることでこの距離感が広がってしまうのが怖い
嬉しそうな彼の表情を曇らせてしまうのも嫌
その想いのほうが色濃く出てしまった私は
『・・・その、あの、、、、あっ、そうそう。祐希にね、なんて説明したらいいのかな~って。』
”後ろめたさ” を明かすことを先送りにしてニセモノの不安に置き換えた。
じっと私を見つめた彼。
私の気持ちが揺らいでいるのが伝わってしまった?!
もしそうなら今度はちゃんと打ち明けなきゃいけない
どう伝えたらいい?
「説明か・・・・。最初から全部理解してもらおうと思わずに、少しずつ伝えていけばいいと俺は思うぞ。」
彼は穏やかに笑ってそう応えてくれた。
それだけに留まらず、私の知らないお父さんと彼との秘密のやり取りがあったことまで教えてくれた。
そんな彼の横顔は今までよりももっと頼もしい男の人の顔だった。
物心がついた頃には父親がいなかった私だけれど、きっと父親という存在はこういう顔を覗かせるのかな
こうやってこの時の私は幸せな気持ちによって ”後ろめたさ” を隠してしまっていた。
しかし
その ”後ろめたさ” を彼にずっと隠し通すことは
不可能だった。