ラヴシークレットルーム Ⅲ お医者さんとの秘密な溺愛生活



その始まりは
破水
もうすぐお腹の赤ちゃんに会える1つのしるし
それが起こってからだった。


『とうとう来た~』


祐希の出産した時
祐希の心臓病に配慮して帝王切開で出産したから
陣痛や分娩の痛みというものは経験がない

だから今回は
帝王切開でお腹を切ることなく
自然の流れで痛みをちゃんと感じながら産みたいと
前もって奥野先生に伝えている

胎児エコー(超音波検査)でも特に問題があるということは聞かされてはいなかったし
奥野先生も今のところは帝王切開の予定はしていないとも言っていた

だから、
自然にやってきた出産へのカウントダウンは時を選ばなくても当然


それに今、ナオフミさんは仕事中で
彼が望んでいる立会い出産に間に合わないかもしれないけれど
それも自然の流れだから仕方がない


“私なら絶対に大丈夫”

心配症の彼にそれが伝わるといいな

そして元気な赤ちゃんに会わせてあげたい
彼のとびきり嬉しそうな顔を見たい


そんなことを考えながら、私はタクシーで奥野先生が待っている名古屋城北病院に向かった。




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