ラヴシークレットルーム Ⅲ お医者さんとの秘密な溺愛生活



「伶菜・・おい!!! 伶菜!!!!!」

私を心配そうに呼ぶ声も忘れない




「日詠さん!!!!!日詠さん!!!!!」

「牧田さん、どうかしました?」

「奥野先生、呼んで」

「さっき、ER(救命救急)に呼ばれてました。」

「いいから、小野寺先生をERに向かわせて、奥野先生をERから連れ戻して!!!!!」

「わかりました!!!!!」



助産師さん達の焦り気味な会話の間に何度も聞こえてくる
“伶菜、しっかりしろ!!!!” というアナタの激しい声


私は自分がどこに向かっているのか
なんとなくわかった気がした
自分の本心が自分自身でコントロールできなくなっていることも


開くことが出来なくなっていた瞼越しに
震えながら手を握るアナタの苦しそうな顔を想い浮かんだ


お父さんという立場で
新しい生命が生まれてくる幸せな時間を過ごさせてあげたかったのに
それが叶えられなさそうでごめんね

でも今、傍にいてくれたのがアナタでよかった


だから、もうこれ以上
自分を責めないで・・・・


今もまだ震えながらも繋がれたままでいたアナタの手の温かさも
私は絶対に忘れないから・・・・・



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