ラヴシークレットルーム Ⅲ お医者さんとの秘密な溺愛生活
『わかった。このまま、こっちは分娩進める。分娩後、エコーで子宮内を確認してから止血に入る。日詠クンはそのまま全身管理お願い。竹中師長、ERと麻酔科にも連絡して!!!! ICUドクターにも詳細伝えて。』
「わかりました!!!!新生児科のベッドの空きも確認します。」
「こっちは挿管します。喉頭鏡下さい。」
皆が必死になった。
伶菜ちゃんを
ベビーを救おうと
とにかく必死だった。
「NICU(新生児集中治療室)の橘です。ベビーは?」
『緊急で吸引してるとこ!!!!もう、あと少しよ!出血量は?』
「1500ml超えそうです。」
『ベビーが出たら、子宮内の血腫があるか確認する。エコーはすぐ使えるように準備お願い。』
「ハイ。」
『さあ、もう出るわよ。日詠クン、バイタルは?』
「少しずつだけど持ち直してきてる。」
『よし、いくわよ・・・・』
その直後・・・・
大量の出血を伴って産まれてきたベビーは
泣き声を上げなかった。
『頼むわよ。橘センセ。』
「全力を尽くします。」
『絶対にベビーを助けて。』
「ウチの・・NICUのプライドをかけて。」
NICUの橘先生とベビーを受け渡しながら交わした会話を
日詠クンはちゃんと聞いてくれていたんだと思う。
橘先生が視線を向けた先にいた日詠クンは
彼をじっと見つめた後、深々と頭を下げた。
ドクターとしてその場に立っていたカレが
再び父親の顔を見せた瞬間だった。
伶菜ちゃんがもし
この光景を直に見ていたら
本当に嬉しかったと思う
見せてあげたかった
ううん
また必ず見ることができる
だから助ける
カノジョを・・・・
ピロロロッピロロロッ!!!
「奥野先生、母体でVT(心室頻拍)です!!!!!! 血圧も急激に下がっています!!!!」