ラヴシークレットルーム Ⅲ お医者さんとの秘密な溺愛生活




変わらず鳴り響いた心電図アラームの警告音。
除細動をしても・・・命に関わるかもしれない心室頻拍という危険な不整脈は続いていた。
このままでは心停止に至ってしまうかもしれない
そんな状況が。

それでも必死に胸骨圧迫を続ける日詠クン。
何も反応しない伶菜ちゃん。

カノジョしか見えていなかったカレ。
激しく息を切らしそれでも胸骨圧迫をやめようとはしなくて。

見ているこっちの胸が痛くなった。







「除細動270にチャージして!!!! あとアドレナリンも!!!!! 一応、アミオダロンもあるか確認しておいてください。」

「ハイ!!!!!」

「離れて!!!!」



2度目の除細動の指示を出す日詠クン
戸惑いなんか感じられない
的確な指示に助産師達もすぐに従うぐらいに




「離れて!!! 行きます!!!!」







ドオウン!!!!




皆の視線が再び大きく揺れた彼女の体と心電図モニターとの間を行ったり来たりしていた。
皆の心がそれらのどちらの変化も待ち望んだ。


戻って

戻って

お願い

私は知ってる


学生の頃から
なかなか姿を現さない伶菜ちゃんを想い続けるカレを
ずっと不器用だと思ってた

いつまで経っても逢えない人を想い続けるカレを・・・・



でもね

カレの目の前にアナタが現れてしまって
思い知らされた


優しさ
柔らかさ
そして
強さ


それらを兼ね備えたアナタじゃなきゃ
日詠クンはやっぱりダメなことを・・・・




だからもう
この人の心を彷徨わせないで

もう
この人の心を離さないで




だからお願い




伶菜ちゃん
戻ってきて・・・・



















「心電図・・・・も、、、、、戻りました!!!!!」


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