ラヴシークレットルーム Ⅲ お医者さんとの秘密な溺愛生活



だから昼間、わざわざ病棟まで来てくれた伶菜の話を聞いてやれなかった自分の不手際を結構気にする俺だったりする

しかも、看護師さん達が話していた俺の“恋人は誰か?”という話を伶菜に聴かれてしまって
・・・・誤解されたかもしれない
・・・・誤解されたくない

彼女が愛しくて・・・何よりも大切だから


こんなコトも彼女に出会うまでは感じたコトはなかったのにな
彼女以外に誤解されるのは別にどうでもいいんだが

伶菜は看護師さん達の話を気にしてしまうけれど、絶対俺を責めたりしない
それどころか、俺にそれについて聞いたりしないで、ひとりでいろいろ考え込んでしまう
そういう性格だから・・・


やっぱ今のままじゃダメだ
早く声を聞かなくては

とりあえず電話しよう
そして、謝ろう

“病棟で話を聞いてやれなくて”
“看護師さん達の話をその場で否定してやれなくて”
ゴメン・・・と


そして俺はこの日も保育器の中の小さな命達の息づかいをしっかりと感じ取れたことによって
目の前にいる彼らから、今度こそは伶菜とちゃんと向き合えるよう背中を押して貰えたような気がした



『よし、帰るか』

NICUの出入り口で感染予防のガウンを脱ぎ、そう呟いた瞬間




“ピンポーン♪ピンポーン♪”

なんだか耳障りな院内放送を告げるチャイムが鳴った。



『スタッドコール・・・か・・』
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