ラヴシークレットルーム Ⅲ お医者さんとの秘密な溺愛生活
「俺の治療を完璧にしたのはレイナ自身だ。俺はその手伝いをしただけ。だから今のレイナに完璧な治療をしてやれたのかそれともそうでなかったのかを判断するのはまだ早いんじゃないの?」
『判断か・・・』
「そう。患者の状況を見守るのも主治医の仕事。そして、傍で励ますのは旦那の仕事。その両方ともできるのはアンタだけ。」
『・・・・・・・』
「オレじゃできない。日詠さんしかできない・・・だから、今、そこを離れるな!!!!!」
『・・・・・・・』
受話器をグッと握る。
彼の言う通り、俺がやるべきことだと思った。
「オレらを、病院の仲間を信じろ。そして・・・レイナの底力を信じろ!!!!」
彼女の傍にいて
夫として彼女を励ますこと
そして
医師として彼女の生命力を信じ、見守ることを。
ツーツーツー。
一方的に切られた電話。
初めて俺に嫉妬という感情を植え付けた男。
その男にも背中を押された。
“お前がやるんだ”・・と。
森村だけじゃなかった。
奥野さんや祐希とか
そして意外な産科部長とかも。
いろいろな人に支えられているから
気持ちを強く持たなくてはならない
そう思った。