ラヴシークレットルーム Ⅲ お医者さんとの秘密な溺愛生活
Hiei’s eye カルテ25:informed consent
【Hiei’s eye カルテ25:informed consent】
「日詠さん、意識レベルが上がってきましたね。」
『ええ・・・・』
再び目を閉じてしまった彼女のベッドサイドで
ICU医師と一緒に彼女の様子を窺いながら話し始めた。
「心臓への負担を減らすために今までは深めに鎮静をかけていたのですが、その度合いを昨日から少し変えているんです。」
『じゃあ、心不全の症状が良くなってきたということ・・・ですか?』
鎮静剤の減量イコール全身状態が上向きになってきた
そう思った。
けれどもICU医師は首を傾げながら今ひとつ冴えない表情を浮かべる。
「肺機能は若干良くなってきているんですが、心臓のほうは・・・・悪くなってはいないのですが、良くなってるとも言えないんです。」
確かに伶菜の顔はまだ青白く、指先もひんやりとしたまま。
循環器科が専門ではない俺が見ても良くなっているとは思えなかった。
「ですが、このまま経過をみることでただ時間だけが過ぎてしまうことの弊害のほうがよくない・・・そう考えています。なので、人工呼吸器を離脱(外す)させようと思っているんです。」