ラヴシークレットルーム Ⅲ お医者さんとの秘密な溺愛生活



そうじゃない
行かないで欲しいという想いで
涙が出たわけじゃないんだよ

そう言いたいのに
それすら言えない


ずっと一緒に居てくれて
ありがとう

そう言いたいのに
それも言えない


『・・・・・・』


もう一度コクリと頷くと彼も頷いてくれた。

これ以上心配をかけちゃいけない
その想いでなんとか涙を堪えた。



「俺は伶菜が居てくれて、心強い。今までも、今も・・・これからも・・な。」


そう言って笑ってくれた後、彼が見せた後ろ姿のせいで
堪えていた涙がまたこぼれた。

この人が居てくれて
私はまた救われた

・・・そう思えたから。




< 347 / 367 >

この作品をシェア

pagetop