ラヴシークレットルーム Ⅲ お医者さんとの秘密な溺愛生活



『日詠先生。失礼します。』

「どうぞ。」


医局内に設けられた遺伝相談チーム専用のカンファレンスルーム
お互いの薬指を絡めるという合図に秘められていたことは
ここに集合するということ

更にそこには
ナオフミさんと私、ふたりだけの秘密が隠されている

その秘密がバレないように
ドアの前にかけられていた空室というカードを裏返して
会議中にするのも習慣になった

管理業務に追われるぐらいならその時間も患者さんを診ていたいからと
産科部長就任を断り続けていたナオフミさんが折れたのはこの部屋のせい


この部屋を作ってあげるから・・と院長に口説かれて折れたみたい
それぐらい、この秘密の場所を手にしたかったらしい

それはなぜかというと
彼が仮眠するためにお忍びで利用したり
私とこっそり抱き合ったあの資料室の存在が
森村先生にバレてしまったから

そんなことを経て得られたこの場所で
相変わらず多忙を極める彼が仮眠を取っていることもあるため、そっとドアを開けた



『やっぱり、お昼寝中だった・・・』

「起きてる。」


この日も彼はどうやら仮眠していたようでソファーに寝そべっていたが、おいでと手招きしてくれた。


「・・・昼飯、食った?」

『食べました。お腹いっぱい。』

「お弁当、ご馳走様。筑前煮、美味かった。お礼にコレ、食う?」

『あっ、コレ、新発売のチョコ!!!!・・・・あむっ』

「美味い?」

「ふぉっペぐぁがおちほうなぐらひ・・・おいひい・・・です」

「唇にチョコ、ついてる。」



チュ!




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