ラヴシークレットルーム Ⅲ お医者さんとの秘密な溺愛生活
その秘密の場所には
罠が仕掛けられていて。
今日も私はまんまと罠にかかった。
薬指を絡めた時からわかっていた罠だけど。
「それじゃ、遺伝相談のカンファレンス、始めるか」
『えっ?!もう?!』
「会議するぞ、カイギ。」
『・・・・・・』
会議かぁ・・・
昼休みにここで集合ということになったから
てっきりいつもみたいにふたりで甘い時間になると
こっそり期待していたのにな~
でも
副院長に遺伝相談の年間計画を早急に提出しろって
言われてたから仕方ないよね・・・・・
ちょっぴり残念
結構残念
かなり・・・残念・・・
「新発売のチョコがどれぐらい甘いかを確かめるカイギ。」
『・・・・・?』
『だから・・・・チョコがどれくらい甘いかをふたりで確かめるカイギ。』
『やったぁ♪』
「喜んでる余裕とか、あるんだな。」
『えっ?!』
焦らされた末に感じた
甘いあまい味も
多忙で物理的にすれ違いやすい日々を送る彼と私だけの
ふたりだけの秘密。
「やっぱり・・・あまい、、、な。」
『・・・あっ・・・う、ん。・・・・はぁ・・・』
甘いのは口の中だけでは済まなくて
カラダ全体にも及んでいて。
「カンファレンス・・・・延期とかダメだよな?」
『・・・・だ、、ダメ、、、、、です。でも・・・・』
「じゃあ、延期の理由を一緒に考えるか。」
『・・・・はぁ・・・あっ・・・今は・・・・無理・・・・』
いつもは患者さんのためにと仕事に対して真摯に向き合う彼なのに
この秘密の部屋の罠に填まっているのは
私だけじゃないじゃないよね?
「じゃ、一緒に怒られるんだな」
『・・・また・・・です、、、、か?』
「共犯・・・・だからな。」
一緒にこの罠に填まってくれている彼が楽しそうに笑うせいで
今日も共犯になる覚悟をするはめに。