ラヴシークレットルーム Ⅲ お医者さんとの秘密な溺愛生活
Reina's eye ケース4:温かい夜と冷ややかなアサ
【Reina's eye ケース4:温かい夜と冷ややかなアサ】
「ママ~、はい、はくさい!」
『祐希、それ、レタス!でも、ちょこっと似てるかも~♪』
「じゃ、これとかえっこ♪」
『そうそう、それが白菜!』
今日の仕事が順調に進み、気分良くナオフミさんより先に帰宅した私。
メインおかず予定の鱸のカルパッチョとの相性とかこだわることなく、サイドおかずのキムチ鍋を作り始めていた。
メインおかずになってもおかしくないキムチ鍋だけど、冷蔵庫の中の野菜がいっぱいだったという言い訳も用意して。
“カルパッチョで美味しく涼しくなった後は・・・もうすぐやってくる暑い夏にキムチ鍋で立ち向かえ~♪!”とデタラメな音程で口ずさみながら。
キムチ鍋作り隊結成!
そして祐希は冷蔵庫からその野菜達を取り出すお手伝い中。
もうすぐ5才の彼も大事なキムチ鍋作り隊の戦力。
「ママ~!!! パパ、まだ?」
『多分、途中でお魚屋さんに寄ってるかもしれないから、ちょっと遅くなるかも・・・でも、もう7時半・・・ちょっと遅いかな?』
「おなか、すいた~」
『きっと、もうちょっとで帰ってくるよ♪ でも、電話してみよっか?』
隊員の彼がわざと白目をむいてそう叫んだからナオフミさんに電話することにした。
そしてキッチンのカウンターの上に置いておいた携帯に手を伸ばそうとした瞬間
♪♪♪~
携帯の着メロが鳴った。
『もしもし、ナオフミさん?』
「ああ、俺。遅くなってゴメン。」
なんか元気ない?
疲れてるのかな?
それなのに今からカルパッチョを作ってもらうの大変かも・・・
そうだ♪ キムチ鍋大増量しちゃえ♪
ここは先手必勝
“夕飯は先に作ったモン勝ち”ってコトで
『ううん。大丈夫♪ もしかしてもう鱸、買っちゃった?』
「いや、ゴメン、まだ。」
いけない
またゴメンって言わせちゃった
しかもかなり申し訳なさそう
きっと病院が忙しくてなかなか仕事を上がらせてもらえなかったんだから・・・
申し訳ないとか思って欲しくないな~
『あっ、よかった・・・あっ、そろそろ、き、、キムチ鍋がう、う、、生まれそう』
「は?」
電話の向こう側のナオフミさんは拍子抜けしてるような声で。