ラヴシークレットルーム Ⅲ お医者さんとの秘密な溺愛生活
「ゴメン、遅くなって。業務が終わった後にスタッドコールがかかった。」
『そっか・・大変だったんだ。なんか大事故とかあったの?』
「いや、多分ヤボ用だ。だから帰ってこれた。」
鞄をダイニングの椅子の上に置き、すぐさま祐希を勢いよく抱き上げたナオフミさん。
「パパ~おかえり~・・ゴハンたべたら、、おふろ、いっしょにはいって!」
『よし、わかった。』
ナオフミさんは機嫌よく両足をバタつかせる祐希をガッチリと抱えながらニッコリと笑った。
そんな姿にも胸がキュンとなる。
「いっしょにねるのもね~やくそくだよ!」
「・・・ああ、わかった。約束な!」
少し気後れ気味にそう返事したナオフミさんは、夕食後、祐希に引っ張られるようにお風呂に入り、そのまま寝室に連れて行かれてしまった。
その後、寝室から祐希のハシャギ声が聞こえなくなり、彼らの様子を覗きにいくと
ダブルベッドで大の字になって寝息を立てている人影が2つあった。
祐希が寝たら、今日こそナオフミさんとゆっくり仲良くしたいな・・・と思っていたけど、
ナオフミさんの寝顔はあまりにも気持ち良さそうで。
『そういえば、ナオフミさん、昨日も夜中、呼び出されたっけ?』
祐希とふたりきりだった昨日の夜中とは異なり
三人だけどひとりきりの夜
ひとりきりだけど三人の夜
この部屋ではひとりきりだけど
ひとりではない気配をしっかり感じて
心がほっこりと温かくなる
家族っていいなぁ・・・・
『おやすみ』
ふたりを起こさないように小さな声でそう呼びかけて寝室のドアをそっと閉めた。
その後、残っていたキムチ鍋の片付けをし、ゆっくりとお風呂にも入った私はいつもはウチで開くことのない臨床心理士の機関紙を読み始めた。