ラヴシークレットルーム Ⅲ お医者さんとの秘密な溺愛生活
「高梨さん、新規のオーダーの依頼が・・・・あっ、日詠先生じゃないの!」
私の直属の上司の早川臨床心理室長がニヤリと怪しい笑みを浮かべながらこの部屋に入ってきた。
仕事上では厳しいが、仕事外ではお母さんみたいに温かい40代後半の女性上司
私と日詠先生が結婚していることを知っている数少ない人のひとり
「どうも・・・早川室長。そのオーダー、今、渡すトコです。」
えっ、新規患者さんのオーダー(指示処方箋)?
ナオフミさん
いや、日詠先生は
さっき何にも言ってなかったけど
「あら、日詠先生、お忙しいのに直々にすみませんねぇ。」
「いえ、ちょっと難しそうな症例だったので、直接伝えておいたほうがいいかと思って。」
なにもなかったかのように涼しげにそう返事をしたダンナさま
いや産科医師の日詠センセ
クールな仕事モード、只今ON!
「首筋にも処方箋あげちゃった?レイナちゃんの。」
「・・・・・・・・」
日詠センセ・・・
あっという間に
クールな仕事モードOFF?!
俯いたまま何にもしゃべらないし
耳までうっすら赤い?!
っていうか
今さっきまでここでやってたコト
バレてる///
「昨日は、内科の前田先生も来ていらっしゃいましたよ。直接、この部屋に。内科からのオーダーなんて今までなかったですのに・・・・前田先生もお年頃ですからねぇ。」
「早川室長?!」
すぐさま顔を挙げた日詠先生の眉間にほんのわずかだけど
皺が寄ってしまったのを私は見逃さなかった。
「オバちゃんは出て行きますわ、日詠先生♪」
「・・・・・・・」
「どうぞごゆっくり♪でもここではヤらないでくださいな。」
「ヤ・・ら・・?!」
「一応、カウンセリングルームですから・・って前田先生にも釘刺しといたから安心して下さいまし~」
「・・・・まえ・・だ?」
「うふふふふ。今日、福ちゃんと酒場で盛り上がる話題、ありがとね~♪」
明らかに彼の反応を面白がっている早川室長はそう言い残し、この部屋から出て行ってしまった。
私達の関係を知っている早川室長
いつもお世話になっているんですが
私達、新婚なんで
“前田先生にも釘刺しといたから”とか誤解を招きそうなことは勘弁して下さい
でも、まあ、彼はそんなコトを聴いても
前田先生と私に何があったかとかしつこく質問攻めとかはしないと思いますが
でもちょっと眉間に皺が寄ってたけど・・・
あ、ハハハ・・・
どうかな~
まさか誤解・・・とかしないよね・・・?
チュッ/////