ラヴシークレットルーム Ⅲ お医者さんとの秘密な溺愛生活
Hiei's  eye カルテ6:I trust you

【Hiei's  eye カルテ6:I trust you】


なんとか終えた午前の産科外来診察。
とりあえず自分がやるべきことを終えたらしい俺。


伶菜はあの後、どうしたんだろう?
あの状態のままカウンセリング業務をこなしていたのか?
それとも
誰かに支えられて

誰かに、か・・・・


ったく
何やってるんだ、俺は


そんな中、突然鳴った院内PHS。

『ハイ、日詠です。』

いつものように反射的に通話ボタンを押してしまったが、今の自分は急患対応とかを的確にできるかどうか不安になり、一瞬、電話応対が遅れた。



「ナオフミく、おっと、日詠センセ?」

『福本さん?!』

「臨床心理の早川室長から伝言。伶菜ちゃん、今日早退したって。」



早川室長か・・・
もし、あの後、伶菜が早川室長にフォローされていたなら
ひとまず安心してもいいだろう

でも早退か

伶菜、やっぱりしんどかったんだな
それとも
早川室長の配慮によるものか?


いずれにせよ早退は正解だ

きっと今の伶菜では
患者さんの気持ちとかを受け止めきれないだろう

臨床心理士としての適性がないのではと自分自身を疑っているのだから



「ナオフミくん????」

『・・・・・・・・・』

「まさか、伶菜ちゃんが心配で自分も早退するとか言い出さないでしょうね?」

『・・・いいえ』


今、俺までも早退とかしたら
伶菜はまた俺に対して余計な心配とかするだろう
そして
伶菜はまた自分を責めるに違いない
“自分のせいでナオフミさんまで早退させちゃった”とか・・

これ以上自分を責めるな
俺がもしそう言ったとしても・・・・

「なんて情けない声してんのよ!!冷たいようだけど、お互いにひとりで考えるという時間も必要よ。なにがあったかはよく知らないけどね・・・・じゃあ、15時から産科カンファレンス遅れないで下さいな、日詠センセ。」


言葉で上手く伝えられない不器用な俺


だから本当のところは
今すぐにでも抱きしめてやりたい
今度は伶菜が気にかけなくてもいいような誰もいないところでゆっくりと
それが本音だけれど・・・・

それをできないでいる・・・どうしようもない今の俺





ツーツーツー・・・
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