ラヴシークレットルーム Ⅲ お医者さんとの秘密な溺愛生活



入江さんか・・・

彼は学生時代のバイト先の飲食店で知り合った
俺のことを弟のように可愛がってくれていた人
現在は静岡県内の公立高校で数学教師をしている

そういえば高校時代の美咲は入江さんの教え子だったっけ。


「一緒に患者さんを守りたい・・・だそうですね。」

『・・・・・・・・・・・』


ついこの間
“これでも忙しい高校教師なんだぜ・・・数学しか教えられないけどな” などとほざきながら、ふらっと名古屋に遊びに来た入江さんと久しぶりに酒を飲んだ時
少々飲みすぎた俺はそんなことを言ったような気がする

でも、こんなまっ昼間に後輩の口から自分が酔っ払って口にしていたことを聴かされると、なんだか背筋が痒くなる


「でも、それよりも」

そんな俺にお構いなしに美咲は口角を引き上げて笑ってみせた。


「高梨さんの傍にいたい・・・ですよね?」

『・・・・・』

「日詠センセ?」

『それは言ってない。入江さんの前では。』

「でも顔にそう書いてありますよ。日詠先生。」

『・・・・・・』

言葉を失った。


「私も日詠先生のこと、ずっと見てきたからわかりますよ。」


胸の奥が疼く。



「私、日詠先生のコト、ずっと好きだったから・・・・だからわかりますよ。」

『・・・・・・』


どれだけ考えてもどう対応していいのか思いつかない
伶菜から発せられる “好き” という言葉は自分の中にすっと入り込んでくるのに


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