ラヴシークレットルーム Ⅲ お医者さんとの秘密な溺愛生活


あの切なそうな表情は、また心配をかけてしまった私に対して腹がたってしまったものだったんだ


『ごめんなさい・・・・』


もうどうしたらいいのかわからなくなっていたついさっきとは異なり、すんなりと出てきた謝罪の言葉。
今度こそはちゃんと今回の件について彼に全て伝えようと思った。


それなのに


「前田っていう人の存在が気になったり、お前を助けるのが完全に出遅れてたり。そんな自分自身に腹が立ったんだ。」

『えっ?!』


彼からの言葉は予想外だった。
心配をかけてばかりの私に対して腹がたったとばかり思っていた。
しかも前田先生のことも知っていたなんて。



「俺、こんな自分、今まで知らなかった。それに・・・」


ついさっき、腹がたったと口にしたわりには攻撃的なんかじゃなくて、慎重気味にそう呟いた彼。



「こんな自分を知ってもらいたいという想いがあるのも知らなかった。」


いつもは口数が多いとは言えないナオフミさん
その彼がこんな風に言葉で自分を曝け出すのはおそらく初めてで。



「こんな想いを共有してもらえる人がいることが、こんなにも心強くなれることも知らなかったんだ。」


こんな風に自分が彼のココロの中にちゃんと存在していることを知ったのも初めてで。



「なんか上手く言えないな。ゴメン。」


謝られているはずなのに頑張ろうという気持ちにさせられたのも初めてだった。



それに意外だった。
ナオフミさんがこんな風に彼自身の感情を言葉に置き換えたことが・・・
あの切ない表情にこんな感情が隠されていたことも・・・




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