ラヴシークレットルーム Ⅲ お医者さんとの秘密な溺愛生活
Reina's eye ケース9:噂バナシの火消し人
【Reina's eye ケース9:噂バナシの火消し人 】
ナオフミさんからの電話を切った後。
私は明日はちゃんと仕事に行けるよういつものペースで今日を過ごすよう心がけた。
「ママー、きょう、パパは?」
保育園へ祐希を迎えにも行った。
『今日は夜中もお仕事みたいだよ。』
「そっかぁ~、えほん、よんでもらおうとおもったのにな~」
『ごめんね・・・急な患者さんがいなければ、明日のお昼には帰ってくると思うよ。』
「じゃ、あした、ほいくえんからかえってきたら、あそんでもらお~っと!」
保育園の帰り道。
祐希がこうやってナオフミさんの所在を聞くのもいつも通り。
「ママ?」
『ん?』
「パパ、いなくて、さみしいの?」
でも、祐希にはいつもと違うのを見破られていたようだった。
『・・・そうそう。さみしいな~』
いつもと異なる理由はちょっと違うけれど。
でも寂しいという感情はいつもと同じかも。
「じゃあ、ぼくがいっしょにねてあげるね。」
『ありがと。・・ってあれ?・いつも寝てるじゃん・・・・』
「そうだった~。」
屈託のない笑顔でそう応えてくれた祐希。
この笑顔にも救われて。
この日の夜、私は祐希とともに眠りについた。
そして翌朝、私はいつも通り勤務している病院に向かった。
出勤打刻するために管理棟へ足を向けた。
いつも通り・・・のはずだった。
けれども
「あの人だよね?」
「確かそうじゃない?」
「ウソ~!!!!!その情報、ホントなの?」
事務職員さん達に後ろ指を差されるような気配がした。
身に覚えがないわけじゃない
昨日、監査室に呼ばれてしまったこと
しかもモルヒネ紛失騒動の最中に
でも、私はその事件には関与していない
だから、気にしちゃダメだ
頑張るって決めたんだから・・・
『おはようございます。昨日は早退してすみませんでした・・』
「おはよう。さ、今日から気分一新して頑張ってもらうわよ。」
臨床心理室スタッフルームのドアを開けた。
涼しげな表情をした早川室長から返ってきた挨拶と激励。
「早速だけど、産科の美咲先生から依頼が来てるわよ。高梨さんご指名で。」
『・・・私に、ですか?』
「そう。本当は昨日依頼が来ていて、あなたが不在であることを伝えたんだけど、美咲先生は是非高梨さんに、って。」
『・・・・・・・・・・』