ラヴシークレットルーム Ⅲ お医者さんとの秘密な溺愛生活
言葉を失った。
私を指名してもらえるのは期待とか信頼されているみたいで嬉しい
けれども、同時に責任を感じずにはいられなくて・・・
「美咲先生、この後、帝王切開の手術に入っちゃうみたいだから、今すぐに会っていらっしゃい。今なら産科病棟にいるっておっしゃっていたから。」
早川室長に“依頼を受ける受けない”の意思表示をさせてもらえないまま背中を押された。
これはもう受けるしかなさそうだった。
そんな私の産科病棟へ向かう足取りは重くて。
ようやく着いた病棟のナースステーションに美咲先生の姿はなかった。
『あの、すみません。美咲先生はどちらに?』
「美咲先生なら、、、あっ、あなたは・・・」
まただ
しかも、今度は産科の看護師さん
確か、安田さんだっけ?
患者さんについての情報収集でナースステーションに来た時にちょこっと話したことがあったような気がする
「おはようございます♪ げっ、安田先輩。この人ですよ。昨日、監査室前で日詠先生に抱きしめられてた人。」
今度は別の看護師さんに後ろ指ではなく正面から指を差された。
「やっぱり!!!!!その噂、本当だったの?」
『・・・・・・』
「安田先輩、本当ですよ~。私、その現場、見ましたモン。」
「谷本?!そうなの?」
確かに監査室前は人通りがあった
でも自分の顔はナオフミさんの胸の中に隠れていたからなんとか大丈夫だろうと思ってたのに
谷本さんという看護師さんに顔を見られていたなんて
・・・もう言い訳しても無駄だよね?
『私・・・・・・』
「あの~、日詠センセのこと、狙ってる人、多いんですけど、なんでこの人」
「ちょっと谷本」
「だって先輩も、日詠センセ狙いですよね?・・・しかもこの人、今年入職したばかりなは」
冷たい視線を私に投げかけながら、安田さんに話しかけていた谷本さんの口の動きが止まった。
その直後、彼女の視線が急に上方へ動いた。
「日詠、、、、、先生!!!!!」