お前は、俺のもの。

──……なんだって?

斉木係長を見る。
彼はニコニコと甘いマスクで俺に笑う。
「満島凪は俺と同期で同い年だ。とても優しくていい子だから、仲良くしてやってね」
俺は意味ありげな視線を向ける彼を凝視した。

あまり知られていないが、斉木係長は俺と同じ大学の先輩であり、サークルの仲間だった。仲のいい先輩後輩の学生時代を送ってきたが、今でも時々連絡を取り合っている。もちろん、彼は俺の事をよく知っている。

斉木係長は覚えていたのだ。
あの時、俺の言ったことを。
だから今、彼は俺に目で話しかけた気がした。

「この子猫ちゃんを君が拾えば、あの女狐ちゃんと別れられるでしょ?」

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