お前は、俺のもの。


「お前というやつは誰に似たのか、言い出したら聞かない奴だ」

親父の小言のとおり、俺は満島 凪に会った三日後に営業部長と加瀬課長から半ば強引に営業企画課を五階へ移動させることを了承させた。
五階で一番広いミーティングルームを事務所として工事業者を呼び、パソコン、デスク、キャビネットなどの事務用品を次々に運び入れた。
営業部の中で区切られた事務所が出来上がった。
仕事中の満島 凪も、この移動は自分が関係しているとも知らず、口をポカンと開けてこっちを見ていたこともあった。

満島 凪の近くで仕事をする。
ほぼ百パーセントの私情だが、それで仕事が捗るなら一石二鳥だと思うことにした。


< 171 / 285 >

この作品をシェア

pagetop