お前は、俺のもの。
「凪、一度しか言わないから絶対に「はい」と言え」
「え、ええっ?」
──それって、命令?強制?
ビックリして見開く私に、美しい鬼が言った。
「満島凪。俺とここで」
鬼は私の両頬を、大きな手で包み込む。
「俺の嫁として、一緒に暮らそう」
──もう。心臓が止まりそうだ。
私の鬼は、可愛くて、愛しくて、たまらない。
嬉しすぎて、彼の顔が滲んでしまう。
「はい。梛のお嫁さんにしてください」
四葉のクローバーが優しく包み込んでくれるような、ほんのりと浮かぶライトの下で。
彼は満面の笑みで甘いキスを落としてくれる。
「これで一生、お前は、俺のもの」
抱き寄せて、左手を握る梛の大きな手から、
薬指にゆっくりと、ダイヤの指輪が通されていく…。
おわり。