お前は、俺のもの。

何気なく、綾乃と目を合わせた。

彼女は顔を赤く染まらせて、目を丸くして驚く表情で私を見ていた。「?」と首を傾げると、彼女は「ハッ」と我に返ったのか慌ててデスクに広げた仕事を始めたのだった。


私の勤める一ノ瀬リビングは、一階から三階はインテリア商品や設備機器を扱うショールームになっている。四階は会議室や資料保管庫などがあり、五階から上の階は事務所のエリアとなっている。
ショールームは販売部が中心のエリアなので、商品の実物の確認をする際は営業時間後に行くことが多い。
一階のショールームの裏手には商品や資材の入荷や配送の部署がある。
一日中トラックの出入りのあり、大きなロータリーがある配送部で、暑くても寒くてもたくさんの社員が働いている。

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