お前は、俺のもの。
私は二通の宅急便の送り状をコピーして、営業企画課を訪れた。
「お疲れ様です。一ノ瀬課長に頼まれた送り状を持ってきました。ファイルに綴るように言われたので、貸していただけませんか」
三人ほどが座れそうな白いデスクが二つ、椅子も三脚ずつ並んでいる。壁際に書類棚がズラリと並び、細かく書き込んだ大きなホワイトボードが二つある。
そして私のいるカウンターから一番近い1人用のデスクに、パソコンを叩いている小堺るみがいた。
ショートカットの髪型のオレンジ色が鮮やかで、小顔のパッチリ目の彼女は、私を見ると少し眉間に眉を寄せた。
──私、嫌われてる?
彼女の一瞬の表情で、少し身構えてしまった。
「そのカウンターの上に置いといてください。後で私がファイルしておきます」
小堺るみはそれだけ言って、視線を再び画面に戻した。