お前は、俺のもの。
眉間にシワを寄せた小堺るみは完全に怒りモードだ。
「一ノ瀬課長のサポートだって、ずっと私がやってきたんです。なのに、いきなり満島さんが課長の専属サポートっておかしくないですか?納得できないし、腹も立ったので送り状のコピーを破って捨てたんです。今では課長は満島さんにベッタリで、ご飯だってドタキャンされる始末。せっかく川添さんがセッティングしてくれたのに」
それは誤解だ。しかも鬼課長にベッタリなんてされていないし。
「小堺さん。私が一ノ瀬課長のサポートしているのは、一ノ瀬課長の仕事量が増えたからであって、ずっとサポートするわけじゃ…」
「今更言い訳なんてしないでくださいっ」
言葉を遮られて、声を上げる小堺るみ。
「とにかく、昨日のご飯は楽しみにしていたんです。それを台無しにしたのは満島さんです。きっと一ノ瀬課長がキャンセルしたから、市村係長も一緒にキャンセルしたに違いないです。もう、あんなチャンスは二度とないかもしれないのに、全て満島さんのせいです!」
小堺るみの怒声が営業部に広がり、事務所にいる人たちが私たちに注目した。