お前は、俺のもの。

「朝から何の騒ぎ?」

緊迫した空気の中に現れたのは、河野くんだ。
間を置くことなく由奈が「河野さん、あのね」と、今の状況をヒソヒソと話し出す。河野くんが「え、マジで?」と私へ冷たい視線を向けた。
先日の彼の攻撃から、私はなるべく関わらないようにしていたのに。

「満島さん、今回はちょっと酷くないですか?一ノ瀬課長たちとの食事を横取りしたのは、社会人としてどうなんですか?」

──やっぱり。なんだか、ややこしいことになってきた。
「私は一ノ瀬課長たちを横取りしようとしたわけじゃ…」
「でも一ノ瀬課長たちがキャンセルしたのは、満島さんがそうさせるように仕向けたんじゃないんですか?」
「ええ?何故、私がそこまでしないといけないのよ?一ノ瀬課長たちは残業していた私たちを手伝ってくれた、それだけよ」
「どうですかね。あの二人はなかなか女の子たちと食事をしないと聞くし、満島さんだって彼らと一緒に食事したい気持ちがあったんじゃないですか?」
「そんな……」

思ってもないことを言われて、何故彼からそこまで敵視されるのか、私には腑に落ちないことばかりである。
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