お前は、俺のもの。
とにかく、由奈が発注データの入力をどこまで終わっているかを確認する。
「二ページ……」
リストには施工材料や工事費、インテリア商品の家具類から雑貨まで、延べ十ページに項目がしっかりと詰まっていた。
「入力を引き継ぐって、ほとんど丸投げじゃないっ。凪さんを残業させる気?」
綾乃の目はすっかり由奈を軽蔑してしまっている。
「別にいいじゃないですか。凪さんはいつも暇そうだし、この前だって出来なかったデータ入力やってくれたし。だって、この仕事は凪さんから引き継いだものだから、元々凪さんの仕事じゃないですか」
由奈はさっさとデータを保存して営業の共有ファイルに移す。そして河野くんの書いた発注リストを私に差し出した。
「じゃあ、あとはよろしくお願いします」
由奈はニッコリと微笑んだ。