お前は、俺のもの。
自分の中では納得していないことばかりだが、渋々リストを受け取る。
その時、後ろから「由奈」と声がした。綾乃と一緒に振り向くと、長い睫毛と明るいオレンジ色のショートボブの髪型が印象的な、営業企画課の小堺るみが立っていた。
「時間なので、お先に失礼しまーす」
由奈は下の引き出しからピンクの可愛らしいハンドバッグを取り出すと、小堺るみと一緒に去っていった。
綾乃は「加瀬部長に言いつけてやる」とご立腹だ。
今は、この発注リストの完成が先だ。