君の瞳に映るもの
「それじゃ、三葉は高梨の隣な」
「えっ……」

恒例行事の1つでもある転校生への質問大会がようやく終わり先生が転校生君の席を指名した。
私の隣に。

「高梨、お前に転校生の面倒を任せる」
「え、ちょっ!」

先生はやつれた様子でホームルームを終わらせ、戸惑う私と視線を合わせようとせず、教室から出ていった。

「よろしく、えっと…高梨さん?だよね」
「た、高梨彩瀬です。よ、よろしく」

転校生君のお守りを任された私はまず、彼に教科書を見せる事から始まった。

転校生君から三葉君に呼び方が変わり、私と彼はだいぶ打ち解けたと、思う。
三葉君は初対面でギクシャクしていた私に気を使ってくれたのか、少しずつ距離を縮めてくれ、人見知りな私が冗談交じりの雑談までできるようになった。
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